本日の学び
~Today’s learning~
「サブスク」
近年、いろいろなところで「サブスク」という言葉を聞くことが多いと思います。
前記事においても、ビジネスを収益化し、儲けていくためには、サブスクが非常に重要であるとお伝えしました。
とはいえ、
- サブスクってそもそも何だろう
- ビジネスにおいて、サブスクを導入するとどんな良いことがあるんだろう
と、疑問を持たれている方も多いと思います。
本記事では、そのようなお悩みを解決すべく、サブスクを徹底解説していきます。
これからの起業は「サブスク」一択
ビジネスには、
商品や製品の所有権を得るために、都度支払う「売切型」と、
権利権(レンタル)を得るために、継続して支払う「サブスク型」の2通りがあります。
【売切型】CDを発売する
【サブスク型】音楽を聴く体験(権利)を販売する
【売切型】映画館で映画を見る:1作品1,800円
【サブスク型】毎月1,300円で映画見放題
音楽CDではなく、SpotifyやApple musicに変わったように商品や製品を売るという「売切型」のビジネスでは、今後、間違いなく無くなっていきます。
反対に、「サブスク型」のビジネスが中心となってきていますので、ビジネスを始める上では「サブスク型」一択で考えていきましょう。
事業を行う4つのステップ
事業を行っていくには、4つのステップが必要であり、サブスクで行うことが、ビジネスを成功させる道です。
事業企画・事業改善
事業企画・改善に関するサブスクの特徴は、3つあります。
Market inに挑戦できる
今までの事業企画・事業改善の手順は、
- 社長(Planner)が「企画」し、店長(Marker)が「制作(施策)」し、従業員(Seller)が「販売」し、お客様に提供。
- その後、お客様からのフィードバックを、従業員が店長にあげ、店長が社長に報告。
- そして、社長が改善策を「企画」し、店長が「制作(施策)」し、従業員が「販売」し、お客様に提供。
という、非常に改善までに時間が掛かっていました。
この間に、他社は次々と新たなサービスを打ち出していくため、自社は確実に失速していきます。
しかし、サブスクを行うと、同じタイミングで「企画」「制作」「販売」が、お客様の困りごとや問合せを確認し、データを共有することができるため、素早い改善が可能となります。
また、ビジネスマンは、Table in(テーブルの上で考え)を行い続けることが多くありますが、正直、考え続けても答えはありません。
ビジネスにおいては、Table inで企画をしたら、すぐにMarket inを行っていくことが必要であり、「ローンチ」ファースト、つまり、いち早く事業やアイディアを市場に出すことが求められます。
Market inをやるのには、ハリウッドビジネス(HB)ではリスクが高いため、ストック型ビジネス(SB)で行っていくことになります。
✔用語解説
HB(ハリウッドビジネス):数億円かけて事業を立ち上げても評判が良ければ黒字となり、評価が悪ければ赤字となるような非常にリスクの高いスタイル。
SB(ストック型ビジネス):小さな事業からコツコツ積み上げていくのでリスクが低いスタイル。
「Uber」やマレーシアのタクシー配車アプリ「Grab」なども、いち早く事業をマーケットに出し、顧客からもらったアイディアをもとに、今のビジネスが生まれています。
完成品を売らず、とにかくMarketに出すことが重要であり、お客様も含めて一緒に作っていく意識(体験を提供する)が必要となります。
リアルタイムな改善
サブスクの導入により、お客様の要求やリクエストに対して、リアルタイムで提供し続けられることができます。
売切型やショット型の場合、次にいつそのお客様が来店されるかがわからず、改善や要望を引き出し提供することができません。
しかし、サブスク型であると、お客様は次回も来店することが確定している(お金を払っている)ので、その分、リアルタイムで改善を要求します。
そのことにより、いち早く改善策を打ち出すことができ、サービスや経営の質を保つことができます。
先行投資が可能
売切型のビジネスであると月々の売上が安定せず、来月、再来月の売上の見通しが立たないため、人事採用や事業・設備投資などの行動をとることができません。
一方、サブスク型のビジネスであれば、来月、再来月の売上の見通しが立つため、人事採用や事業・設備投資などの行動をとることができます。
経営者にとっては、心の安定にもつながります。
経営者は、サブスクにより、
・「いくら“たまったら”〇〇しよう」
から
・「いくら“あまるから”〇〇しよう」
と、未来PL(損益計算書)が見え、先行投資をすることができます。
そのことで、サービスや経営の質が上がっていき、よりお客様に求められるサービスとなっていきます。
市場獲得:市場を獲得するための3つの優位性
サブスクをどのように導入していくかを考えるうえ、以下の3つの優位性を意識していくことが大切です。
- 価格優位性(利益率を保った価格)
- 製品クオリティの優位性
- 心理的な優位性
価格優位性
なぜ同じものを売っているのに、自社が価格優位性を持つことができるのか。
価格優位性を考えるうえでは、Profit Per Custom(PPC)を知っておく必要がります。
この用語解説については、「【2020年必読】MUPカレッジの竹花貴騎校長から学ぶ「ビジネスモデル」」でご紹介していますので、ぜひこちらの記事をご覧ください。
ビールを販売する場合を例にしましょう。
1杯500円のビールを売るのに、経費(人件費や材料費)が300円掛かった場合、利益は200円となります。
また、BeP(利益分岐点)は1杯300円となりますので、1杯300円はひとつの目安となります。
SPC=500円(売上)
CPC=300円(経費)
PPC=200円(利益)
※利益率は40%(300円÷500円×100)
まずは上記のように、細かく分析をしていきます。
そのうえで、価格を下げていくためには、「規模の経済性」を理解しておくことが必要です。
✔用語解説:規模の経済性
生産量の増加に伴って平均費用が低下し、収益性が向上すること。スケールメリット。
つまり、月に1本ビールを仕入れる価格と、月に100本ビールを仕入れる価格とでは、月に100本仕入れる方が、仕入れ価格は安くなります。
このことを踏まえ、サービスの価格を下げる場合は、利益率が変わらないよう、仕入れ量を増やし、仕入れ額を下げることが重要です。
順番としては、
- 原価割れに近い価格でサービスを提供する。
- 他社よりも安いのでお客様が集まる。
- お客様が増えるので、仕入れ量を増やすことができる。
- 仕入れ量が増えるので、規模の経済性により仕入額を下げ(られ)る。
- サービスの価格を下げる。
となります。この順番が大切です。
製品の優位性
サブスクのモデルは、下表のとおり4種類あります。
補充型 | 定期便 | Amazon |
アクセス型 | 利用権利 | Photoshop |
レンタル型 | レンタル | カーレンタル |
パーソナライズ型 | 改善型 | エアクローゼット |
特に、4つの型のなかでもパーソナライズ型(改善型)が重要であり、サブスクの価値とも言われています。
パーソナライズ型の代表格としては、Ipsy(一人ひとりに合わせた化粧品販売)や、エアクローゼット(プロスタイリストが選ぶ服が借り放題)があり、お客様一人ひとりに合わせたサービスを提供していることが特徴です。
体験を売る時代では、その体験もお客様一人ひとりにカスタマイズすることが必要です。
そして、カスタマイズしていくためにはお客様の名前や住んでいるところ、好きなモノ・コトを知らなければなりませんが、サブスクならそれらのデータを取ることが可能です。
心理的な優位性
これまでは、何円の商品を何個売ったかにより、「売上」が決まっていました。
一方、サブスクにおいては、お客様と従業員がどれだけ深く関われたか(関係値)が、「売上」に大きく関わっていきます。
また、お客様に直接関わるのは従業員であるため、経営者は、CS(顧客満足度)だけではなく、ES(従業員満足度)も意識していくことが必要です。
そして、CSの関係値をあげるには直接、お客様に聞く姿勢が重要です。
「どのようなコーヒーを用意したら良いか」
「どのような香りの空間にいたいか」
「どのようなサービスがあると良いか」
などをお客様に伺い、徹底的に意見を反映していくことが大切です。
「自社が作ったサービスを売るのではなくお客様が作ったサービスをお客様に売る」ことが、これからのビジネスモデルとなります。
収益維持~「FREEMIUM MODEL」~
サブスクを導入してビジネスを行っても、1か月で解約されてしまっては、収益を維持していくことは難しいです。
サブスクを導入して収益を維持していくためには、「FREEMIUM MODEL」体験を行っていくことが必要です。
「FREEMIUM MODEL」とは、「時間」「顧客タイプ」「人数」「機能」のいずれかを無料(または1円)で提供することです。
例えば、1時間無料、学生限定、1人目無料など。
図のように、「FREEMIUM MODEL」を行い、自然とサブスクに誘導していく施策が重要となります。
しかし、「FREEMIUM MODEL」を行いますので、サブスクの導入し始めは、一度収益が落ちる傾向にあります。
収益を落とさない方法としては、規模の経済性を生かし、1人1万円を2人で15,000円にするなど、数によりPPC(利益)を生み出していくことが必要です。
また、利用すればするほど月額が下がるようなサブスクモデルもあります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
体験を売る時代だからこそ、企画・改善までのスピードが必要であり、サブスクの導入が重要であります。
そして、サブスクを導入し、収益を維持していくためには、まずは「FREEMIUM MODEL」を行っていくことが大切です。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
終わりに
筆者Yosshyは、2020年より、株式会社LIMの竹花貴騎校長の
「社会人の学校MUP_Collage」のオンライン動画で、日々学んでします。
本日の発信内容もオンライン動画を参考にしています。
Youtube