Yosshy
コーチライセンスを取得後も、勉強の毎日です。
今回のテーマは、「骨年齢」です。
子どもの成長を「何歳?」「何年生」?と、暦年齢だけで判断していませんか?
実は同じ年齢、同じ学年でも、身体の成熟度や骨年齢は異なる場合があります。
「同じ学年の子どもだから、同じ練習メニューをする」
スポーツ障害などのケガの観点で考えると、必ずしも良いトレーニングとは言えません。
本記事では、「骨年齢とは何か」「骨年齢を知る意義」について、わかりやすく解説します。
暦年齢を理解しよう
普段使われている”年齢”とは、生まれてから何年経つかという暦の上での時間の経過を表しています。
これを「暦年齢」と言います。
しかし、例えば12歳の子どもを見たとき、すでに大人のような体型の子もいますし、まだ低学年のような子どももいます。
Yosshy
この違いは、身体の発育が早いか遅いかという、成長の速さの個人差によるものです。
つまり、暦年齢では生物学的な視点から観察した場合、必ずしも正確な身体の成長度を表しているとはいえません。
骨年齢を知ることが大切。
骨の成熟は、ある程度規則正しいタイミングと順序で起こるということがわかっています。
そのため、骨の成熟度から身体の成長度を把握することができます。
この骨の成熟の程度を、「骨年齢」と言います。
「骨年齢」とは、「暦年齢」と対照したものといい、骨年齢は身体の成長度をより正確に表す判断基準になります。
どのように骨年齢を知るの?
Yosshy
骨年齢を割り出す方法はいくつかあります。
基本的には、左手のレントゲン写真(下図)を使い、手を構成するいくつかの骨の形状から骨年齢を割り出します。
サッカーにおける骨年齢の意義は?
Yosshy
医学的に発育、発達に異常が見られる場合には、もちろんレントゲン撮影などを行い、状態を把握します。
一方、スポーツにおいて、骨年齢を知る意義は、以下の5つがあげられます。
- 発達に応じた個別トレーニングプログラムの作成
- スポーツ障害の予測
- 身長や発育に関わる将来的な精神的ダメージ(バーンアウト症候群、初経発来遅延など)の軽減
- おおよその最終身長の予測
- 年齢別大会での年齢詐称の防止
日本サッカー協会(JFA)の取り組み
日本サッカー協会のアカデミー試験では、保護者の方に同意のうえ、子どもの「骨年齢」を測定しています。
Yosshy
対象の受験生は、小学6年生、12歳になる年の子どもです。
前述のとおり、成長の速さに個人差があるので、受験生の生物学的成熟はおおよそ9~14歳と幅があります。
成熟度が、9歳と14歳の受験生を同じ基準で評価をすると、不公平が生じますので、JFAでは、生物学的な成熟度を考慮しながら評価します。
ポジションによっては、誤差を加味した上で、予測最終身長も参考にします。
「予測最終身長」の判断基準の1つとされているようです。
(図)アカデミー試験での骨年齢評価のための左手レントゲン写真
(参照:http://www.jfa.jp/)
しかし、レントゲン写真でも明らかなように手を構成する骨の成熟に違いがあるのがわかります。
骨年齢では、10歳~13.3歳と幅がみられています。
「骨年齢」に合わせたトレーニングをしよう
トレーニング内容も変える必要があるよ!
例えば、成長が9歳の子どもはパワーや持久力がありません。
9歳の時期では、技術を習得するのにふさわしい時期となります。
そのため、無理に筋トレや、ランニングなどを行うことよりも、ボールタッチの練習を多めに行うなどの配慮が必要です。
同様に、成長が14歳の子どもに12歳と同じようなトレーニングをしていても、十分な負荷がかからない場合があります。
このように「骨年齢」を知ることで、身体の成長に見合った身体能力を知ることや、トレーニングの質や量を調整することができます。
また、使いすぎによる怪我と言われるスポーツ障害は、骨が成熟する段階の時期に起こりやすいことがわかっています。
そのため、子ども一人ひとりの体型に合わせて、トレーニング内容を変えることでスポーツ障害を防ぐことができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
「骨年齢」は、近年、テレビ等でも特集されており、注目度もあがっています。
しかし、あまり子どもの「骨年齢」を考えることは、少ないように感じます。
そして、レントゲン撮影の結果で、判断することは難しいと思います。
まずは子ども一人ひとりの体型や骨格を見て判断することが良いと思います。
ぜひ、スポーツに携わる方、サッカーをしている子どもの保護者の方は、「骨年齢」に見合ったトレーニングを心がけ、怪我の予防に努めていただれば嬉しいです。
最後まで、お読みいただきありがとうございます。