Yosshy
- 会計に興味を持った方
- ビジネスマンの方
- 企業の分析を始めようかなと思った方
- キャッシュ・フロー計算書(CF)を理解できる
- 企業の経営状況がわかる
この記事を書いている人
Yosshy
学生:社会人のための学校『MUPカレッジ』ウサギクラス
その他:JFA公認C級コーチライセンス取得、奥渋にあるカフェオーナー
CF(キャッシュ・フロー)を見ることが出来ると、自社や他社の経営状況を客観的に把握することが可能となります。
財務諸表って何
本記事で説明するCF(キャッシュ・フロー計算書)は財務諸表の1つです。
この財務諸表には、BS(貸借対照表)以外に、PL(損益計算書)、CF(キャッシュフロー計算書)があり、この3つを「財務3表」と呼んでいます。
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財務諸表は、利害関係者(投資家、債権者など)に対して、企業が自社の財政状態や経営成績を報告するための書類です。
- そもそも自分の会社が儲かっているのか
- どの金額規模まで債権を持っていいか
- その株を投資しても良いのか
企業を取り巻く利害関係者は、企業の状況を知るということが非常に大切になってきます。
そのため、企業は自社の経営の財政状態や経営成績を明らかにするため、財務諸表を作成し、公表しています。
PL(損益計算書)、BS(貸借対照表)について、こちらの記事で解説中。
【2020年最新】10分でわかる!「損益計算書(PL)」を徹底解説!
【2020年必読】10分でわかる!貸借対照表(BS)を徹底解説
CF(キャッシュ・フロー計算書)
財務諸表の1つである「キャッシュ・フロー計算書」は、現金の流れを数値で示した書類です。
キャッシュ・フロー(cash flow、現金流量)とは、現金の流れを意味し、主に、企業活動や財務活動によって実際に得られた収入から、外部への支出を差し引いて手元に残る資金の流れのことをいう。
損益計算書と異なり、現金収支を原則として把握するため、将来的に入る予定の利益に関してはキャッシュフロー計算書には含まれない。
(Wikipedia)
簡単にいうと、
- 会社がどのようにお金を得てどのように使ったのか
- 会社にどのくらいの現金があるか
が分かる書類です。
ちなみに、法令で作成が義務付けられているのは上場企業だけです。
CF(キャッシュ・フロー計算書)では、資金の流れを「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つに分けて表します。
CF(CF(キャッシュ・フロー)を重要視する理由
「キャッシュ・フロー」とは「お金の流れ」のことであり、「キャッシュ・フロー」をみると企業の資金状態を判断することができます。
なぜ、キャッシュ・フローを見なければいけないのか。
実は、会計上の「利益」と「手元にある現金(キャッシュ)」は、下記の事象などもありイコールではありません。
- 商品やサービスを売り上げても、顧客から資金を回収するまでにはタイムラグが発生する。
- 商品やサービスを生み出す前に、仕入れ等で先に支払いが発生する。
これらの事象により、PL(損益計算書)上では儲けが出ているように見えても、回収や支払のタイミングによっては赤字になる場合があります。
手元にキャッシュがなくなれば、お金を借りなければならなくなり、資金繰りが悪化する恐れがあります。
企業の経営状態の健全性を判断するためにも、「キャッシュ・フロー計算書」を作成し、お金の流れを把握することが重要です。
そして、投資先を判断する際も、CFを分析することが重要です。
3つのキャッシュ・フロー
キャッシュ・フロー計算書は、
- 「営業活動によるキャッシュ・フロー」
- 「投資活動によるキャッシュ・フロー」
- 「財務活動によるキャッシュ・フロー」
の3つに分かれています。
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営業活動によるキャッシュ・フロー
「本業の営業活動で、どの程度現金が増減したか」を示す項目です。
- 商品を販売して手に入れた現金
- 材料を仕入れるために支払った現金
- 広告宣伝費などの販管費支払に流出した現金
- 税金支払・保険金受取など
この項目の合計がプラスであれば、本業が好調な証拠です。
一方、マイナスの場合は、現金不足の状況を示します。
そして、営業活動キャッシュ・フローがマイナスの状態が続いている企業は、損益計算書上で黒字でも危険な状態かもしれません。
営業活動キャッシュ・フローは、3つのフローのなかで1番重要です。
投資活動によるキャッシュ・フロー
「投資によって現金がどの程度増減したか」を示す項目です。
将来のためにどれだけお金を使ったかが分かります。
営業活動のためには固定資産への投資が必要ですから、優良企業や成長企業はマイナスになっているケースが多いです。
また、どのような市場(成長市場or成熟市場)なのか、あるいは何に投資をしているのかを把握することができ、企業の方向性やスタンスがわかります。
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理想的な経営を表しているよ。
一方、プラスの場合は、土地や建物、株式を売却してお金(キャッシュ)を手にしていることを示します。
財務活動によるキャッシュ・フロー
「資金調達と返済で、どの程度現金が増減したか」を示す項目です。
株主への配当金支払いや借入金の返済を行った場合はマイナスになります。
一方、借入金や社債で資金調達を行うとプラスになります。
優良企業の場合はマイナスである場合が多いです。
他方、積極的に成長を目指すために借り入れが増え、プラスとなる成長企業もあります。
会社の状況が把握できる8つのタイプ
「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つのそれぞれのプラス、マイナスの組み合わせにより、企業の経営状態の全体像を把握できます。
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※ 下記の見出しのカッコ内は、営業、投資、財務の順に収支状況をプラス・マイナスで記載しています。
「安定型(優良)」タイプ(プラス・マイナス・マイナス)
理想的なキャッシュの流れができている、堅実な優良企業であります。
「攻め型(積極投資)」タイプ(プラス・マイナス・プラス)
借入や新株発行などの資金調達と投資を組み合わせた、攻めの姿勢を取っている企業です。
「転換型」タイプ(プラス・プラス・プラス)
本業でお金を稼ぎ、かつ投資資産売却を行い、さらに資金調達(借入や新株発行)まで行う企業です。
事業転換に向けて、大規模投資のための資金集めを行った可能性があります。
「財務改善型」タイプ(プラス・プラス・マイナス)
採算の合わない事業をスクラップしている企業です。
「大勝負型」タイプ(マイナス・マイナス・プラス)
急成長が期待されている将来有望な企業は、このタイプから成長していくことも多いです。
「融資途絶型」タイプ(マイナス・プラス・マイナス)
非常に危険な状態の企業です。
本業が不調にもかかわらず、投資資産を売却して借入の返済をすすめていることです。
「再検討型」タイプ(マイナス・マイナス・マイナス)
蓄えていたお金を切り崩して再起を図っている企業です。
事業に成功するか、失敗に終わるか、非常に重要な局面です。
「要注意型」タイプ(マイナス・プラス・プラス)
新規事業のために資金を集めている企業です。
赤字事業を支えるために資産売却と資金調達で食いつないでいる状態です。
本記事のまとめ
CF(キャッシュ・フロー計算書)は、企業の経営状態を把握するために必要な財務諸表の1つです。
図のとおり、それぞれのキャッシュ・フローがプラスとなっているか、マイナスとなっているかにより、企業の経営状態を把握することができます。
- 「キャッシュ・フロー計算書」は「財務諸表」の1つ
- 「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つのフロー
- 「8つの型」で会社の経営状況がわかる
終わりに
Yosshyは、2020年より竹花貴騎氏が校長を務める「社会人の学校MUP_Collage」のオンライン動画で、日々学んでします。
本日の記事内容もオンライン動画を参考にしています。
Youtube